南信ダウンリバー2日目。阿知川~天竜川唐笠港

前回、店のおやじと仲良くなり、駐車場で車中泊をさせてもらう。

南信ダウンリバー1日目 天竜川市田~時又港

夜中に蚊が紛れ込んできて、ブチブチ刺されて目が覚める。虫よけを体中に振りかけると何やらレモングラスのような香りが車の中に充満し爽やか~。なにやら涼しくなってきた。顔が冷たい。暫くして、窓が開いていることに気が付く。しかも結構な雨が降っているのでどうやら顔が冷たくて気持ちが良かったのは雨が振り込んでいたからだったようだ。

朝目が覚めると、雨は上がっていた。水かさも増えている事でしょうから、今日も楽しい川下りができそうだ。水が増えすぎて、堤が超えられなくなっていなければよいが…

真強さんはと言えば、昨日、私は酒が強くなった!2杯も飲んだ!と言い、悪真強になって毒を吐いていたが、飲みすぎて頭が痛いとすっかり弱っている。峰隆太の出身地である下條村を通りすぎ阿智村にある運動公園わい・WAIへ向かう。昨日夜、峰隆太の同級生が営む寿司屋へ行った所、18:00頃にも関わらず、今日はもうやめたと言われて入店できなかった。営業時間は21:00までとネットには書いてあったが、田舎あるあるである。田舎のお店へ行く時は、前もって電話をしておくべきだと反省。

阿知川

阿知川は5月になると花桃が咲き乱れ、とても美しいらしい。シーズン後の6月そんな情報を得て来年は花桃の時期に阿知川を下ろうと密かに思いを寄せていた川なのだ。こんなに早く来れて大変喜ばしい。今後とも末永いお付き合いをお願いしたいものだ。花桃は今回のスタート地点よりもう少し上流の昼神温泉付近になるので、別途調査が必要である。

運動公園Waiわいから川に入ってすぐに大きな瀬がある。折角の瀬を逃す手はないので、瀬の上流からスタート。どこかの弱腰コンビが居たら、まだ体が温まってないからとか、「う~ん」とか「ふー」とか「いや~」とか言って瀬の下からスタートするんだろうな~と思ってニヤリ。暫く瀬が続き、一気に2つ、3つの瀬を超えてゆく。真強さんも頭から、水しぶきを被り酒を2杯も飲んだ二日酔いから覚めたようだ。ちょっと下って分かったのだが、この川の瀬が多い事、多い事。次から次へと瀬が迫ってきて休む暇がない。この調子では瀬の下からスタートしようと思ったらゴールについちゃうかもね。

2019.7.15 阿知川ダウンリバー①

阿知川へ行くことを伝えていた、サニエモ常連さんから、阿知川はドロップの連続で、ゴルジュ帯に入るとエスケープできない瀬もあるので考え直した方がいいと心配して連絡があったが、すでにゴルジュ帯にいるのでもう手遅れである。流石に危険を臭わされると、少し心配になる。今日は慎重に行きましょう!と言いながら、スカウティングもせずにどんどん下る。

2019.7.15 阿知川ダウンリバー③

瀬がどんどん来るので、集中力もMAXである。いつもぼんやり生きているので、こんなに集中することは稀なのである。何やら、前方よりきな臭い匂いが漂ってくる。川にいる時の私の勘は冴えわたっており、この先はヤバい気がするので、ちょいと下りてスカウティング。

前方の大岩から流れが二股に分かれているがよく見ると左は地獄の入り口。艇が通れる隙間が無く、挟まって身動きが取れなくなる危険がある。右は何とか行けそうだが、その先に1m位のドロップがある。スイスイと左へ行っていたらと思うとぞっとする。右ルートで1m飛ぶしか道がない。

阿知川 最大のドロップ

まず私から、トライ。左ルートに吸い込まれない様、ぎりぎりまで右岸に寄せつつ、大岩を越え、ドロップ怖え~。思えば、こんなドロップ落ちたことない。幼稚園の時に三輪車に乗って、団地の階段をダイブしたとき以来の落差じゃないかと思う。その時はうまく着地できなかったと思うが、今はもう大人なのでちゃんと着地。滝つぼに吸い込まれない様必死に漕いで無事生還!やればできるもんだ。

続いて真強さんも無事生還。私の雄姿撮ってくれた~?という。すみません、普段ぼんやり生きているもので、今回もぼんやりしてました。アクションカメラのスイッチ入ってないや。

まだまだ続く瀬この先も暫くゴルジュ帯が続き事あるごとに瀬。2人とも少し癒しが欲しくなってくる。瀬がポンポンと出てくるので全然ありがたみが無いが、この川の瀬一つ一つはよその川へ行ったら、メインの瀬だの核心部だの言われてもおかしくない。もうメインのお肉はいいから、サラダとかデザートとか軽めの物出てきてもいいんじゃない?など言いながら進むが出てくるのはメインディッシュばかりである。

ゴルジュ帯を抜けると、川がやや平坦になってきたような気がする。人工物も見え始め、文明の世界に戻ってきたと少しホッとする。何かあってもレスキューは呼べそうだ。川も少しはおとなしくなることだろう。と思いながら進むが、瀬の波はますます高くなり、ちっともおとなしくならない。

ここでようやく1つ目の堤に到着。昨日見つけたルートで無事に抜けた。いくつもの障害を越えここまでたどり着いた達成感を味わう。こういう達成感が味わえるのも川旅の 醍醐味かもしれません。

続いて2つ目の堤。ここは勢いを付けてぶっ飛んだ!

というのはウソでコケまみれになりながら這い降りました。お尻に付着したコケはすぐ横にあったシャワーで洗い流しました。

そしてとうとう天竜川と合流しました。何時かはおとなしくなってくれると信じてここまで来たが、阿知川は最後まで大暴れ、一時も油断させてくれない暴れん坊だったなぁ。そんな暴れん坊を天竜川はドンと受け止める偉大な川なのである。

天竜川との合流地点

このあたりの天竜川はゆったりと流れる大河。大きな波もなくただ静かに力強く流れています。あたりはとても静かで、阿知川で高ぶった気持ちを休めてくれました。暫くすると、ポツリポツリと雨が降り出します。やわらかい雨がとても心地よく、雨音だけが静かに聞こえてくる様はとても幻想的で自然と融合していくような錯覚を覚えました。やがて雨が上がると、鳥のさえずり彼方此方から聞こえ、その中を川の流れに乗って、ただただ心地よく流れていきます。旅の終点唐笠港はもうすぐそこです。

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