2日目
03:30起床 朝食、テント撤収後05:30頃出発する。因みに、我々調査不足により下の廊下への入り口が良く分からない。多分こっちだろうという所で、たむろしていると、我々の思っていた方向と全然違う方向へ登山者が歩いていく。そっちじゃないだろう?あの人たち戻ってくるんじゃない?と妙な自信でブラブラ。2組目の女性達がまた違う方へ。あれ、これ我々が間違っているんじゃ?ちょっと声かけて、下の廊下ですか~?気を付けてね~と知ってる風を装い情報取集。どうやら下の廊下はあっちらしい。必殺、少し間を保ち後を付ける作戦で、無事道を発見。ヨカッタ。
06:00頃黒部ダム下に差し掛かる。川原ボーイは早速おなかの具合に疑問を抱き、コソコソと茂みの中に入っていった。職員らしき人に06:20から放水があるからよかったら見て行ってといわれ、川原ボーイを待ちつつ放水でも見るかと思ったのだが、ここで20分ロスする意味あるか?という結論に至り、爽やかな顔したボーイが戻り次第出発する事にした。
序盤景色も良いし、道もたいして悪くない。正直拍子抜けである。もっと怖い道を想像してたのにこんなもんか、ちょっとスリルが足りないね、なんて川原ボーイと話しながら歩く。期待していたほど紅葉していないのも非常に残念である。紅葉は10月下旬位の方が良かったのであろうが、仕方あるまい。暫く歩くと、漸くネットでよく見る川沿いの高度感のある細い道になってくる。流石に肝が冷える。今までのはチュートリアルみたいなもんだったか!
危険個所には番線が通してあるので、意外と大丈夫だが、これなかったら足がすくんでしまいそうだ。そこそこ良いペースで歩いていると思っていたのだが、後ろからジジババの集団が迫ってくる。まだ幾分か後ろにいるのだが、鍋チャンチンが早々にビビり始め広いところで待って抜いてもらおうと言い始めた。いや、まだ距離あるし追いついてきたら考えましょうよ。待っててもしょうがないしと諭して、前すすむ。鍋チャンチンは行く前から天候がどうとか理由を付けて6割がた辞退するつもりでいたようだが、何とか連れ出した。1人抜けると回送費用に大きく響く。
スタートしてこれは無理だと思ったら、引き返すからと言っていたが、最初がチュートリアルだったので、歩いてきてしまった。今更引き返せないので、鍋チャンチン覚悟を決める。
滝の横にひろい所があり、休憩していると高速ジジババ隊が追い付き、追い抜いて行った。ここから、高速ジジババ隊とのデッドヒートとなった。
暫く休憩し、出発すると休憩している高速ジジババ隊に遭遇。抜き返した。梯子の場所で再度追いつかれる。先頭のババは最後尾の川原ボーイがまだ梯子を登っている最中にどんどん上がってくる。
ちょっとそれは無いんじゃないだろうか?
めちゃめちゃ混雑している訳でもないのに、危険個所で煽り運転はどうかと思う。鍋チャンチンはヤバい、軍手が滑って梯子がヤバい!と言っている。鍋チャンチンはいつも使い古されて変色した軍手である。滑るなら素手で登った方が良いですよと助言。素手で大丈夫かなぁと訝し気であったが、勝手に手に汗握るのでいい具合だ、滑らないと満足した様子である。
十字峡で休憩していると高速ジジババ隊が追い付いてきて、我々の一段下、十字峡が良く見える場所で休憩を始めた。我々は休憩を終え歩き始めると、ババの一人が登山道に戻ってきて、私の前で立ち止まり写真を撮り始めた。写真を撮るのに夢中で退く気が無い。道のど真ん中で立ち止まられては大変邪魔である。いい加減にしてほしい。
ど真ん中で写真を撮るババを避けて足場の悪い場所を歩いて追い抜き、つり橋を渡る。良く揺れて肝が冷える。暑いので丁度良い。
日が出てくると10月とは思えないくらい暑い。渓谷なので涼しいかと思ったのだが、標高が高いわけでもないので、かなり暑い。夏山低山を歩いているような暑さである。そりゃ紅葉もしないわけだ。見上げると立山は見事に紅葉している。
雪が降るのももうすぐだ。ワクワク。
人工物でできた謎道を歩きダムへ到着。ダムのたまった水がとんでもなく奇麗である。暑いし飛び込んだら気持ちよさそうだという気持ちをぐっと堪える。川遊びしたい。あんまりにもきれいなので、みんなして撮影タイムである。どうせ後でシェアするんだから同じ写真だらけになるのに。
ダムを越えると、いきなり森の中の急登が始まる。かなりきつい上りで、鍋チャンチンの足が止まる。ボーイは鍋チャンチンの後ろを歩いていたので、突然止まった鍋チャンチンのお知りに頭突きをかましていた。今回なぜか鍋チャンチン以外は皆直前で熊鈴を外してきてしまい、先頭の私は熊が怖いので、無駄に騒ぎながら登る。誰かに見られたらアホの子と思われたであろう。
森の中一気に標高を上げ、山道をしばらく歩くと今度は一気に標高を下げると、とうとう見えた、本日の宿泊地、阿蘇原温泉!
14時前に到着。意外と早く着けた。まだテン場も空いていて、良い場所にテントを建てられた。冷たいビールを買い一気にのどへ流し込む。こんなうまい飲み物がこの世にあったのか!