燕岳から槍ヶ岳へ表銀座縦走③

ヘトヘトになって槍ヶ岳に辿り着き、もう歩きたくないので、飯を食ってさっさと寝る。夜、かなり雨が降っていてテントの下からソコソコの水がしみてきた。脱いだ服を散らかしていたので、良く浸かって程よい重さになっていた。

燕岳から槍ヶ岳へ表銀座縦走②をよむ。

最終日

朝4:00起床し、テントを片付け朝食をとる。すっかり体力は回復。昨晩は雨がかなり降り、テントはびしょ濡れ、水も滴る良いテントだ。乾かす時間もないので、とりあえずテントを濡れたままザックに突っ込む。これでまた荷物が重くなるなぁ。昨日の大天井岳の日の出は05:50頃だったので、同じような時刻に朝日が昇るはず。05:30頃に槍ヶ岳の穂先へ向かう。登っている人がまばらに見えるが、ツアー客は、昨日午後に上っていたようで、この時間登っている人は多くない。体力も戻り穂先チャンスなので、荷物を山小屋近くに置き穂先へトライ。

登るルートは印がつけてあるが、崖をよじ登るので、大変危険。足滑らせたら滑落である。下は見ないようにしよう!三点支持!と呟きながら、登り進める。肩で息をしながら登ると梯子にたどり着く、ここから頂上まで梯子を登る。ひたすら、梯子、岩場、梯子の順に登っていくと、頂上に到着。怖いので這いつくばって、良いポジションを確保。日の出はすでに始まっており、しばらくぼーと眺める。

昨日雨が降った為、空気が澄んでおり、しかも下に雲海もできておりとんでもない景色。早起きしたご褒美だ。よく考えたら、社会人になったばかりの頃、船積の現場作業監督みたいなことをしていて、ながーーい梯子を登ったり下りたりへっちゃらだった。落ちたらやばい所を高速で駆け下りていたし、へっちゃらで不安定なところに立っていたし、あの頃はマヒしていたんだな。きっと今が正常に違いない。帰りの事を考えるとぞっとするなぁ。おーこわい。

帰り道が怖いのと、景色が素晴らしいので、しばらく見ていたがそろそろ覚悟を決めて、下山開始する。下りはもう慣れたのか、思ったよりへっちゃらであった。

穂先から降り、気を引き締め、さぁ下山だ!と呟いて6:00頃出発。

長い長い下り道を下り始める。目指すは上高地。歩いていくと、道に雪渓がある。登山前にアウトドアショップで槍行くんだけど、軽アイゼンいるかなぁと聞いたら、今年は雪解けが遅いので、いるかもしれないからお守り替わりにもっていった方がよいという。まあ、そんなに重い物ではないのでとザックの出しやす場所に忍ばせていたが、昨日片付け中に、もういらんだろうとザックの奥底に移動させてしまった。そういうのは世の常だなぁ。仕事でもそうだ、許認可が下りないので、あきらめて日程変更すると許可が下りる。

まあ、平らなので転ばないように気を付けながらいこうとそのまま進む。滑って危転びそうになりながら進む。

結局、ただの重りだったなぁと思いながらなお進むと、斜度が付いた所に雪があるじゃないか!しかも渡るところに穴まで開いている。落とし穴か!ここは流石に、お守りアイゼンを付けようと思ってザックをまさぐるが出てこない。どうやらへそを曲げているらしい。ゴソゴソと中身を出しているうちに全部出てしまった。なんてことだ。ザックの中身を全部おっぴろげてアイゼンを発見。ここまでおっぴろげたら恥ずかしい事なんて何もないのだ!アイゼンを装着し雪渓を横切る。滑ったら一気に下まで転がっていくんだろうな~と思うと恐ろしい。お守り持ってきてよかった。

イワタニプリムス(IWATANI-PRIMUS) アイ・トレック 4本爪軽アイゼン IT-HG121

まぁなければ無いで気を付ければ行けると思うが…

ひたすら下りのガレ場が続き足にくる。小指あたりがすれてヒリヒリする。下りはつらいが、雪解け水が流れ始め、川を形成し始めるとウキウキしてくる。更に行くと完全に川になり、勢いよく流れている。この間まで雪だった奴が夏だぜヤッホイ!と言っているに違いない。こっちまでヤッホイ気分だ。

ウグイスがホ~ホケキョと近くの茂みで鳴いている。ここはもしかすると桃源郷なんじゃなかろうか。漸くガレ場を抜け、川沿いの道をひたすら歩く。森の中の道の為、日差しが避けられるのは何よりだが、景色が全然変わらないので、段々飽きてくる。横を流れる梓川をパックラフトで下ったらどんなに楽だろうか。

下に行くにしたがって、登山者以外に上高地観光の人たちも交じり始め、軽装のおばちゃんにヒョイと抜かれるのが悔しいので、早歩きをする。と疲れる。あ~だるいと思い!いやいや、こんな気持ちのいい森の中を歩けるなんて素晴らしいじゃないか!とか頭の中で、一人劇場が始まる。こうやって新しい人格が生まれるに違いない。なんて全くどうでも良いことを考えながら歩いていると漸く上高地バスターミナルに到着。長かった~

上高地バスターミナルで松本行のチケットを購入。バスで新島々駅まで行き、そこで電車に乗り換え松本までいける。松本でまたチケットを購入し、穂高駅までいくと今回の旅の一つの終着駅である。 が、まだ終わらない、夏休み。

おまけ

大天井であったおっちゃんが、普通のガス管からOD缶に詰め替えるアイテムがあるよという有益情報をくれたので調べてみた。いいのあるじゃない。

【ガス詰め替えアダプター】カセットボンベ(CB缶)からアウトドア用ボンベ(OD缶)にガスを詰め替える

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