2日目。飛騨川の飛水峡を下る
朝、関西組の3名とみやぽん♂が合流。総勢9名の大所帯となるも、飛水峡の水位がかなり高めらしい。水位0.95。行くか撤退するかの瀬戸際。これだけの人数が集まって、ただ帰るだけとなっては完全にヨワスカさんの呪いである。それだけは避けたいところだ。核心部の瀬は水量がおおくなり岩も隠れているしまあ、行ってみましょうという結論となり、スタート地点に向かう。核心部を橋の上から見ようと車から下りてみると、かなりの瀬!おっそろしい~。
じっくり見たかったのだが、前方から消防の車両が橋に入ってきたので、慌てて車にのりスタート地点へ。途中何やらとんでもないドロップが見えて気がするが、気のせいでしょう。とりあえず川下りスタート。
先ほど気になった、ドロップに差し掛かる。やはりとんでもない。ホールにつかまりかなり左に引きずられるが何とかクリア。危なげ。ここで何人か飛水峡の洗礼を浴びフリップ。ここから、怒涛のフリップ劇場が始まるとはまだ思ってもいませんでした。
水のパワーがすさまじい為どの瀬もパワフル。右から行くか、左から行くか。右側には隠れ岩がありそうなので、左岸の際をかすめていくのが正解だと思うなんて話をし、私は左から無事クリア。うっちーさんは左から行った後、右の隠れ岩コースも行ってみたいとおかわりをし、フリップしていた。もしかすると変態なのかもしれない。
みんな船から降りてしっかりスカウティングをする。スカウティングしてもどう覚えられないから、出たとこ勝負ですよ!と昨日まで言っていましたが、スカウティングって大事だよね。
次はいよいよ核心部。スカウティングしているとどんどん恐ろしくなってくるが、じっくり見て、おおよそのルートを決め、行ってはいけないところを確認する。2段構えの落ち込みで、もみくちゃにされながらもなんとかクリア!
ここでも何人かフリップし流されるが、下がトロ場なので救出も比較的容易にできた。ここで昼の休憩をとり、ドローン撮影の為、核心部のお替り。列になっていきましょう!一列になって、瀬に次々突入。先頭のマーボーさんがフリップしおいしい所を持っていく。
フリップ祭り
核心部が終わったのだから、もうこれ以上大きな瀬は無いのだろうとタカをくくっていると、次に現れたのは、大きなドロップ。左はかなりのホール。右の落ち込みも下はホール。これどこから行くんでしょうかと思うが、右からぶっ飛ばして飛ぼうと決め、突っ込む。ドロップを落ちる瞬間、左側のホールに2艇つかまり洗濯機状態になっているのが見えた。
その瞬間、ドロップ下のホールにつかまり、艇のバウ(前)が跳ね上がり、バック転状態に一回転してフリップ。もみくちゃに流されるが、すぐに再上艇し事なきを得る。本日の初フリップ。どうやら洗濯機状態の1艇はうっちーさんだったらしく、悔しいのでおかわりしたらまたやられたと言っている。間違いなくこの人は変態だ。こういう人好きだなぁ。
更に行くと、またまた大きな瀬。一先ず右のエディ(川の安全地帯みたいな所)に入って、スカウティングするつもりが、流れが思ったより早く、エディキャッチ失敗。(へたくそー)そのまま瀬に突入してしまう。スカウティング無しで入ってしまうが、いつもの事だろう!と腹をくくり突っ込む。右から左から波が押し寄せるが何とかやばいところは乗り切り、安心したところで、ホールにつかまり本日2度目のフリップ。
ここでも華麗に再上艇をし、何とか下のエディに入る。つっちーさんも上のエディに入れなかったようで、同じように私の前を船にぶら下がって流れていたので、救出。ぱっくまんさんが我々を心配して救助に来てくれた。この瀬沈せずに来られるとは流石だ。ひとまず岩に上り後続を待っているとマーボーさんがフリップして流されてくるので、ぱっくまんさんがロープ投げる。マーボーさんロープ離してしまい更に下まで流される。
小顔アサケンさんが流されてくる。ロープを投げ救出を試みるも流されていく。ぱっくまんさん艇出動。救助に向かう。小顔アサケンさんは一度再乗艇したものの、すぐ下の瀬でフリップし流されていく。その際、船、パドル、靴を流してしてしまい、靴を必死で救出したそうだ。
うっちーさんが流されてくる。ロープを投げ何とか救出。次々人が流されてくるなぁ。次はだれかなぁと思っていたら、残りの4人はポーテージし陸からやってきた。折角ロープレスキュースキルを磨くチャンスだったので、全員流されてきたらよかったのに。
ここらあたりからゴルジュ帯の入り口になり川に逃げ場が無くなる。ベテランのマーボーさん、ぱっくまんさんが下まで行ってしまったので、残された我々も追いつきますかと、船をこぎだす。すぐ下の瀬で隠れ岩に乗り上げ、直下のホールへダイブ。また捕まりフリップ。本日3度目のフリップ。フリップ祭りだ、わっしょいわっしょい。
すぐに再上艇。再上艇上手くなってきた。と思ったら、後ろから真強さんが流されたきた。真強さん再上艇試みるが、失敗。
下のトロ場で待ち構えていたぱっくまんさんがロープを投げてくれるが、思いのほか流れが強く、真強さん流される。私も救出を試みるが、うまくいかない。そのうちに、次の瀬が迫ってきて、真強さんのたすけてーーーという声を最後に真強さん凶悪な2段構えの瀬に舟にぶら下がった状態で突っ込む。私は真強さんを見捨てて辛うじてエディに入る。どうかご無事で~
すぐに追っかけようと思ったが、私も先ほどフリップしたので、半分くらい浸水していて、空気も抜けてペコペコ。これで追いかけたら、救助者が2人になるわと思い、下にいるはずのマーボーさんに救助をお任せする。大丈夫かなぁ、生きてるかなぁ真強さん。真弱さんになってるだろうなぁ。
さて一段落つき、下に構える瀬をスカウティングするも、ゴーゴー言っており無事抜けられるイメージが全くつかない。もうゴルジュ帯に入っているので、逃げ道もない。真強さんから無事救出されたというLINEがきた。この瀬は流されても死にはしないらしい。ぱっくまんさんが瀬に突入。右からイメージしていたルート通りいくも中央のホールに吸い寄せられフリップしたように見える。
次に、つっちーさんが突撃。かなり中央よりを行き、下の岩の方に行ったのが見えるが持ちこたえている。そのまま、無事通過。いけないわけではない!と希望が湧いてくる。うっちーさんが突入。1段目の瀬を抜け2段目でフリップし流されていく。残りの3名と私。3名はポーテージするといい、船を担いで岩山を登り始めた。私は、小さな希望を胸に瀬に突っ込むもあえなくフリップ。
流されスキルレベルアップ
ぼごぼごぼごーーと水中に吸い込まれ、目の前真っ白。右も左も分からない。ぶはーーと息を吸い水面に出るも、また引きずり込まれる。あまりの水圧にパドルを放してしまう。ちらりと岩の方向に進んでいるのが見えた。岩の下がえぐれていたりすると出られなくなるので、極力行きたくない。全然浮いてこない。まさか岩の下じゃないよな!?と頭をよぎる。
長いな~と思っていると水面に出た。ぶはーー。船とパドルが後ろから流れてくるので、何とか捕まえ、再上艇を試みるが、うまく艇を起こすことができない。また次の瀬に飲まれる。
舟がホールに捕まり、出られなくなっているのが見える。やべー船どうしようと思っていると、エディを発見。必死に泳ぐがエディーライン(本流とエディにある水の壁みたいなやつ)を越えられない。パドルが本流の水をつかんでしまい、邪魔なので、エディにパドルを投げ込み、必死に泳ぎなんとか上陸を果たす。
息を整えるのも束の間、ホールから脱出してきた船が流れてきた。このまま流すわけにもいかないので、仕方ないが覚悟を決めてもう一度川に飛び込む。船をキャッチするが再上艇できるほど体力が残っていない。流されている時の体力の消耗度半端ない。ここで先に流された組と漸く合流でき生還。人が次々流されてくるわ~とマーボーさん。
では恐怖動画をどうぞ
200m位流されたのではなかろうか。今まで流されたことが無かったのでわからなかったが、流されると体力をかなり消耗する。もうHPが1秒ごとに減っていく感じ。息を止める時間も長いので、かなり息が切れる。惜しまれるのは、アクションカメラが下向いて、ヘルメットばかり映っている所だ。
ここでポーテージ組を待つ。このゴルジュ帯、ポーテージは無理だと思うぞ!大丈夫かという話だ。待てど暮らせど残り3人はやってこない。槍ヶ岳の東鎌尾根みたいな所なので、滑落したら大変である。そこを船とパドルを持っていくのである。私としては待っている間体力回復を図れたので好都合であるが大丈夫なのだろうか。漸く3人と連絡が取れ、ここでリタイヤし国道目指しているそうなので我々は、川ルートをを進むことにする。9人中3人がリタイヤ。実に1/3がリタイヤするという前代未聞の川である。しかもその3人もベテラン揃いなのだからこの川の凄まじさがわかるというもの。
ところが先ほどの瀬を最後に、ここからのんびりした川に様子を変える。両岸は切り立った岩壁。ところどころ滝があり実に風光明媚な川になる。同じ川とは思えない。先ほどのパワーはどこへ行ったのだろうか。これなら、流されルートの方が楽だったかもしれないなぁ。更に信じられないことに、ここで私のカメラ、スマホ、アクションカメラすべて電池が無くなる。ヨワスカさんの呪いに違いない。困ったものである。
最後に放水口の下からビックウェーブになるが、落ち込みがない為、素直な波で特に問題なく行けたが、後半フリップ地獄だった為、またフリップするんじゃないかと、いつもより力が入った。
そして無事?ゴール。最後までヒヤヒヤ。
参りました!こんな川初めてです。内容の濃さに体力を使い果たしました。経験値を積みすぎて一気にレベルが上がったんじゃなかろうか。気が付くとスネを打撲したようで、切れて血が出ているし、何やら痛い。でももうそんなことはどうでもいいくらい満足だ。
ゴールで片付けをしていると、リタイヤ組も合流。こっちはこっちで相当大変だったそうで、藪が深すぎて全く前に進めず、体全体を使って倒して進んでいたそうで、傷だらけである。岩で傷だらけか藪で傷だらけか。引くも地獄、進も地獄の飛水峡でした。地獄って楽しいね~
帰り道、ラジオから各所で水の事故が相次いでいます。けが人が8名と言っていた。私いれて8人だろうか?気になる所だ。