8月8日
キャップから、1泊2日赤岳、硫黄岳縦走の誘いを受け二つ返事で参加を決めた。キャップは登山仲間と大同心のクライミングをやりたいので、キャップの奥さんマーちゃんの面倒みといてという事。
初日、メンバー全員で赤岳の赤岳鉱泉でテント泊し、2日目、キャップと山岳会のメンバーは大同心、私と鍋チャンチンとまーちゃんの三人で赤岳山頂から硫黄岳まで縦走し戻ってくるルート。
上の駐車場まで上がる道は悪路であるが、上に停めれば1時間節約できるはずが、満車という張り紙と共に道路を封鎖している。皆さん、嘘だ!そんなはずはない!などブーブー文句を言っているが、渋々登山口の駐車場に停め、食材、テントなどを分担して登る。
ところが、登っていると上から車がおりてくる。スタートが昼なのでそろそろ降りてきてもおかしくない。今少なくとも数台分はあいてるよな?取りに行く?車?という事で、鍋チャンチンとカズやん2人で車を取りに戻る。
鍋ちゃんが居ない隙にキャップが全員の荷物重量チェック。なんやこれ、軽っ!スカスカや!といい、鍋チャンチンのザックにこっそりポールを追加。それでも一番軽い。何が入っとるんや!と中身チェックをすると、かっぱえびせんが3袋も出てきた。
初日は赤岳鉱泉まで2時間程度登ればよいので、楽勝なプランであるが、鍋チャンチンは早速ゼーゼー言っている。山頂を見ると青空が広がり大変気持ちが良い。それにしても熱い。縦走メンバーの私とまーちゃんは鍋チャンチンのスピードに合わせて歩いていたので、大同心メンバーより30分以上遅れて赤岳鉱泉に到着。大同心チームは既にビール缶が空いている。
我々もビールを飲んで休憩。このご時世なので、テン場はガラガラかと思いきや大賑わいで驚く。テントを立て、一息ついた所で酒盛りと夕食。すき焼きを食べ、ビールをグビグビ、かっぱえびせんをポリポリ。みんなのザックから次々とビールがでてくる。重かったのはビールなんじゃないか?という気がしてくる。
持ってきた焼酎があき、ウイスキーが空き、山小屋で焼酎を追加購入。明日ちゃんと歩けるのだろうか?鍋チャンチンは焼酎をストレートで飲み始めた。危険である。
翌朝、4時に起床。テントに荷物を置き、小さなザックに荷物を入れ替え、山頂を目指す。出がけに、テントの中に放置していた私のダウンを、まーちゃんがこれ私もっていってあげるわ。あんたの小さいザックじゃ入らんでしょう。と言って自身のザックにしまっている。
鍋ちゃんは朝から動きが大変鈍い。開始30分で今日はもう無理かもしれん。引き返そうかなぁなどと青白い顔でブツブツ言っている。ちょっと歩いてはすぐ立ち止まって休むので、後ろを歩いている私はペースが全くつかめず大変疲れる。ゆっくりでいいので歩き続けてほしいものである。
小一時間歩くと霧と風が出てきた。寒い。昨日あんなに暑かったのに、ウソみたいな寒さである。荒天はまったく想定外である。山頂に向かい、どんどん天気が悪くなり、強風が吹いている。しかも、山頂は真っ白。なにも見えない。この天気で縦走するのか!?
もう我慢できず、ダウンを出してもらい着込む。ダウンもて来てもらってなかったら、低体温で死んでいたかもしれん。
大同心チームは大同心が雨と霧の為、クライミングは出来ないと判断したらしく、別ルートで赤岳山頂に。丁度合流できた。
かなり厳しい天候なので縦走はあきらめこのまま下りた方が良いという判断となり皆で下山することになった。下山となると急に元気になるのは鍋チャンチン。
行はあんなにグダグダだったのに、なぜかピョンピョン下りていく。不思議である。そして、下山したところで山頂を仰ぎ見ると見事に晴れているのである。
不思議なのである。