前回のあらすじ
ご老公とチャゲさんと別れ、単身地獄の試練に向かったものの、命からがら逃げだしてきたのでした。もうお酒はしばらく見たくないのです。
蓼科で想像を絶する試練に耐え、ようやく朝を迎える。ともに地獄を味わった同僚に別れを告げ、一路中山道へ。今回の旅のテーマは歴史に触れる旅なのである。今思いついたのである!
奈良井川
以前から、奈良井川はよかった、奈良井川はよかったと皆口を開けば奈良井川である。何が良かったかと聞いてもとにかくよかった、とてんで要領を得ない。それなら自分で確かめるしかないのである。奈良井川は中山道(国道19号線)沿いを流れる川で、奈良井宿だの木曽路だの歴史っぽい名前がちょろちょろ出てきて、歴史に思いをはせられる。川はなお流れ梓川と合流し、犀川へそそぐ。
奈良井川、贄川関所~旧片平橋
朝、ちゃげさんと合流し、スタート地を目指す。パックラフト仲間の料理番長真強さんが作成した病的リバーMAPを元にスタート地点に向かうが、おしゃべりに夢中でスタート地点を通り過ぎてしまう。Uターンするのもしゃくなのでもう少し進んでみるとよさげな場所を発見。贄川関所から下に降りたところにある駐車場。贄という字が残酷なイメージしか浮かばない。この後とんでもないことが待ち受けているなんて知る由もない2名。胸を弾ませながら、良い場所見つけた!川も近いし最適!なんて言いながら準備をする。
スタートが関所跡なんで歴史に思いをはせながら漕ぎ出します。きっと関所で捕まってこの辺でさらし首された人もおるんじゃなかろうか。怖い怖い、我々も関所を早く越えなければ!ちゃげ殿!行くでござるなんて妄想しながらスタート。
漕ぎだしてすぐ、ストレーナーが見えます。こりゃいかん。昔の人も関所破りに川ルートも使ったに違いない。そしてストレーナーをみて、チャゲ殿!気をつけるのでござる!奈良井宿はすぐそこなのでござる!船を担いで森から行くのでござる!なんて言っていたに違い無い。
奈良井川と私
暫く行くとまたストレーナーが出てくる。なんかストレーナー多くない?パックラフトを担ぎまたしても森に入る。
今のところ、この川の良さがまだ伝わってこない。緑の森の中を流れる川の為、ジャングル感があってよいが、木がいっぱい倒れているので、デンジャラスである。堤が出てきた!これヤバくない?
ストレーナーが多い為、段々この川が信用できなくなってくる。奈良井川と私の信頼関係は早くも崩れ落ち、もうすべてが疑わしい。S字カーブの連続のドSの奈良井川、進んだ先が分からないので恐ろしい。突っ込んだらどうなるかわからい。ここまで疑わしい川は初めてで、常に岸上がれるポジションをキープしつつ、警戒しながら恐る恐る進む。
ひとまず片平橋までたどり着き午前の部終了。今のところ、皆を虜にする奈良井川の良さを見いだせていない。奈良井川に対する愛が足りないのだろうか。
これより南木曽路の看板~謎の集落
午後は更に下流を漕ぐ。片平橋のすぐ下はダムになっている為、もう少し下流まで移動しスタート。ダムがあるのでストレーナーは少なくなっていることに期待しつつ、病的MAPを見ながら移動。ゴールは謎の集落。対岸とつながっている橋以外にその集落に入ることが出来ない。ちゃげさんがボソッと落ち武者の集落みたいとつぶやく。確かに。
ストレーナー、ストレーナー、ストレーナー
午後の奈良井ちゃんは更に意地悪をしてくる。相変わらずのストレーナーの多さにスプレースカート(船に水が入らないようにするカバーみたいなもの)をいちいち付けるのが面倒になる。
このストレーナーは避けられるなぁと思って油断していると、水位が無くパドルが底についてしまい上手く漕ぐことができない、そうこうしている間に、水の流れが速い為、ストレーナーに突っ込みそうになる。パドルをガリガリ削りながら必死に漕ぐ。ストレーナーにも色々あって、大体のストレーナー全部見たんじゃなかろうか。
豪快に川を塞いで、子分共を引き連れているやつ。将軍クラス。端っこに申し訳なさそうにいるやつ。杉の木のストレーナーは枝が鉄格子みたいに垂れ下がり川を牢獄に変えていやがる。獄長ウイグルと名付けよう。ウイグルはちょっと抜けているので、すり抜けられそう。
竹は枝でパックラフトに穴開けられそう。こいつらは竹槍部隊だな。
なんてことを考えながら川を下る。
そういえば森の中を歩いているが、川に入る前にクマ出没注意の看板あったなぁ。クマが出たら、パックラフトで体を大きく見せて、パドルでつついたら撃退できるだろうか…チャゲさんのパックラフトを囮に投げつけて、その間に逃げようかなんて考えながらストレーナーをクリア。
結局奈良井川の良さがイマイチわからないまま終了。次回はチェーンソーもってこようと思う。
後日ちゃげさんが面白い記事を見つけてきた。なんと謎の集落は本当に落ち武者の集落だったようだ。