雲ノ平と高天原と

長年憧れた雲ノ平と高天原。昨年のお盆休みに計画するも天候不良で断念し、そのリベンジ計画なのだが、今年もどうやら天候不良である。7月23-26の3泊4日の行程、予報では1日目の午前は雨、午後から曇り、2日目、3日目は晴、4日目は雨。4日中2.5日は晴であり、目的地の雲ノ平と高天原は晴れ、行く価値有りと判断し決行することにした。今回は単独行。

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行程

1日目 新穂高ロープウェイ登山口~三俣山荘 

2日目 三俣山荘~雲ノ平~高天原 

3日目 高天原~温泉の頭経由、水晶岳、鷲羽岳、三俣山荘 

4日目 三俣山荘~三俣蓮華岳~双六岳~新穂高ロープウェイ

1日目

会社終わってその足でスタート地の新穂高へ直行。夜中の1時頃到着し無料駐車場に停め、仮眠する。駐車場はすでに8割がた埋まっていた。外はザーザー雨が降っている。初日の工程はどうせ雨だしわき目もふらず三俣山荘まで行く計画である。5時ごろ、雨が少し小雨になったので出発することにした。ひたすら緩やかな砂利道を歩く。途中笠新道への分岐がある。

昨年、笠ヶ岳ピストンした時の地獄の道である。これまでの登山で一番大変だった山を教えてほしいと問われたら、間違いなく笠ヶ岳と答える。本当に辛かった。そんな笠新道入り口を無視してにひたすら登る。歩き始めてすぐに右足かかとに違和感を感じた。久しぶりの登山でどうやら靴擦れができてしまった。足が濡れて皮がふやけてたのかもしれない。

全然雨は止む気配が無く、靴がべちょべちょである。14時頃漸く雨が上がった。ぶちゅぶちゅ音を立てながらひたすら歩き、15時半頃本日の目的地、三俣山荘に到着した。テントを立てて、靴と靴下を乾かす。靴下に塩舐め蜂が大量に集まってきて私の靴下舐めてる。さぞ良い塩梅なのだろう。

靴擦れにいつもはテーピング貼って保護するのだが、今回忘れてしまった。ガムテープ巻いたのがザックに入っていたのでガムテープ貼ってみる。

2日目

いよいよ本日はメインの雲ノ平、高天原である。本当は雲ノ平に泊まりたかったのだが、高天原は秘境の温泉地である為、温泉入った後、だらだらしたいという強い思いに負け宿泊地を高天原にした。高天原温泉楽しみである。三俣山荘からどんどん小川沿いに下りていく。

途中黒部源流の石碑があるがどれが源流なのだろうか?よくわからない。ちょろちょろと湧き水があったりすれば分かりやすく感動できるのに。

空は晴渡り雪渓と空の青のコントラストが何とも言えない絶景である。槍ヶ岳が遠くに見える。初心者の私でも遠くからでもわかる山容でなんだかうれしくなる。

遠くに雲ノ平山荘が見えてくる。湿原にポツンとかわいらしい形。ジブリの世界に来たようなそんな景色である。雲ノ平山荘で暫く休憩し、この辺りでブラブラ散策してのんびりしたい気持ちに駆られるが、まだ先は長い。

いよいよ本日の目的地、高天原を目指す。高天原への道はどんどん高度下げる。森林限界を歩いていたのにいつの間にか森の中を歩いている。ほぼ下山みたいな道にしょんぼり。明日は標高3000m弱の水晶岳である。今日降りた分明日登らなければならないと思うと憂鬱。高度が下がり気温が高くなってくる。

汗はだらだら、靴擦れ痛いしもう限界!と思っていると、前方からの人が、高天原ですか?泊まりですか?と聞いてくる。泊りだと答えると、私受付なんですけで、ちょっと出かけるので、勝手に温泉はいっててーと。目的地はすぐそこのようだ。もうひと踏ん張りである。

森を抜けると、一面笹が広がる何とも言えない景色が広がっている。本当にここは日本だろうか?なんてすばらしい景色なんだと思う。

日本に生まれて本当によかった。と一人で感動してみたりする。靴擦れが痛くて涙流しているわけではありません。

小屋に到着し少し休憩していいると先ほどのお兄さんが帰ってきた。スマホの電波を拾いに行ったとの事。確かにここ電波ないわ。荷物を降ろして温泉に出かける。なんと小屋から20分も山道を歩かなければならない。靴を脱いで靴下を蜂になめさせていたのに、また履かなければならんのか。温泉は川沿いにありなかなか良い景色である。誰もいなかったのでゴロゴロ寝たり、湯船につかったり仁王立ちしてみたり一人で大いに盛り上がった。帰り道の20分でまた汗をかいた。

露天風呂
男風呂

3日目

朝3時半起床、4時頃出発する。本日は温泉から川を遡り、温泉の頭を経由し水晶岳、ワリモ岳、鷲羽岳という登山目白押しの予定である。ここまでよく考えたらピークを踏んでいないのである。本日も天気ヨシで良い景色が見えるはずなのだ。

川沿いの温泉ルートが何気にきつい。川の水が増水しており渡渉が大変困難である。どう考えても膝まで川に入らないと渡れない箇所があるのだ。

もうやけくそである。ざぶざぶと水に入って川を渡る。岩をよじ登っている時に濡れたソールが滑って川へ転落してしまった。2mくらいの高さだった為、ケガはしなかったがびしょ濡れである。さらにやけくそで川をざぶざぶ。誤って支流へ入り込んでしまった。暫く進んで目印が見当たらなくなり、気が付いて引き返した。下流から上流へ登るときは要注意である。川を抜けると急に急登になってきた。

靴下を絞るタイミングを逃し、靴をズブズブ言わせながら登る。砂状の地質で足場がもろく滑り落ちないように注意しながら進む。ここまで来て気が付いたのだがどうも天気がよろしくない。ガスが出ていて景色がほとんど見えないのである。

温泉の頭に到着したころには真っ白である。景色も見えないので靴下を絞る。靴擦れがかなり大きくなっている。痛い。皮をはがさず、皮を傷口に密着させた。そう言えばガムテープは駄目だった。

水晶岳山頂まで到着したが、景色が見えず何の感動も得られない。ここで、本日の行動を考え直した。このまま、ワリモ岳、鷲羽岳へいった所で、景色が見られないのではあまり価値が無い。天候悪化が早くなっているのかもしれない。明日の下山は雨の予定なので、今日のゴールを三俣山荘から更に進んで、双六山荘まで行っとけば、明日の下山が相当楽になる。急遽、ワリモ岳、鷲羽岳はあきらめ、巻道で双六山荘を目指すことにした。

ワリモ、鷲羽を飛ばしたので14時頃三俣山荘へ到着し休憩。ふと鷲羽岳を眺めると晴天である。オイオイこれはどうした事だ?山小屋の天気予報を確認すると、明日の天気は晴に変っている。!?それなら、予定通り鷲羽へ行けばよかったと後悔。今日双六小屋まで行く必要も無いので、そのまま三俣山荘にテントを立てる事にした。

4日目

本日は天気が良くなるという事なので、三俣蓮華岳、双六岳を登ってから下山することにした。4時頃出発。ガスが出ているがきっとこれは気のせいであろう。三俣蓮華の山頂は素晴らしい眺望が広がっているに違いない。

なんてことだ。。。

双六も同じかなぁと思いながらも、登ってみると、おや?

おやおや?

山頂に着くころには完全に晴れ、360度大パノラマである。素晴らしい景色に感無量。

雷鳥にも会えた

なんだかんだ沢山歩いた。ここから先は、もう下山するのみである。ひとしきり最後の景色を楽しみ下山を開始した。ここにきて、靴擦れが痛くないことに気が付いた。残しておいた皮がくっついて治ってしまったのである。皮は絆創膏代わりになるのである。大発見である。

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